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2006/12/21

「生かさず殺さず」ですか?

1ヶ月くらい前にこのエントリで、「今年はノロウイルスが流行ってると複数の小児科の医師がブログで証言している」とか書いたが、あっという間に毎日毎日報道されるほどの大流行となってしまった。

幸いにして、自分も家族も、また知る限り会社の同僚や友人も、やられたという話をあまり聞かない(いやわたしの実家なんか魚屋だから、ノロウイルスにやられたなんてことになったら営業停止ものなんだけど)。

小さい子供のいる友人は家族全滅とか言っていたので、身の回りにノロウイルスにやられる人が少ないというのはやっぱり、いかに自分の環境が「子供と無縁」なのかと思う。逆に、満員通勤電車に毎日乗っている人たちがやられないというのは、インフルエンザなんかとは伝染りかたが違う病気なんだな、という感じがする。

さて、このノロウイルスだが、時々ブログにお邪魔している小児科医クーデルムーデル先生からいただいたコメントによると重篤になるひとが少なく、動物実験のできない(動物に感染しない)ウイルスなので研究対象にならなかったとのこと。なるほど、インフルエンザと比べても、とても辛いという話はあってもこれが原因で人が死んだという報道がない。

昔読んだ病原体はどう生きているか (益田昭吾著 ちくま新書)とかによると、ある種の生き物に特化して寄生している病原体は、その生き物が死に絶えると自分も子孫を残せないので困ってしまう。宿主が死ぬ前にどうにかしてほかの宿主にたどり着かねばならない。そこでたとえばコレラ菌は強烈な下痢を起こして(それ自体彼らにとっては栄養源だが)それに乗って外界へ出て行く。しかし一番ラクなのは、宿主が死なずに歩き回って病原体を撒き散らしてくれることだ。こうして、特定の生き物との付き合いが長い病原体はだんだん弱毒化して常在菌になっていくという。逆に、本来の宿主でない生き物、または本来住み着くべきでない身体の部分にいってしまった病原体は、もともとはありえないような重篤な症状をもたらすことが多いという。また、破傷風菌などは土に棲むのがもともとなので、生き物に取り付いた場合はそいつが「土に還る=死に絶える」ことがもっとも望ましいため、恐ろしい病原体となる。

というわけでノロウイルスだが、残念ながら上記の通りこいつについては研究が進んでいないとのことで、どういう感染環を本来持っているのかよくわからない。

インフルエンザウイルスなんかは、中国大陸のブタとニワトリと人間が密接に暮らしているようなところで進化しているらしいが、このノロウイルスもたとえば、日本近海のどっかの海の二枚貝のなかで増殖してそれが人間に来て…、とかそういう感じなんだろうか。O-157みたいにやっかいな変異をしたりしなければいいと思う。

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2006/12/15

ああ地元

道内市町村05年度決算 歳入6年連続減 実質収支の赤字団体は小樽、留萌、夕張

リンク先のブログは地域医療・自治体病院の経営をテーマにしている先生のものなので、「このような財政状況なのに200億円以上のお金をかけて新しい病院を作ろうとしている」小樽市について言及されている。

小樽もひどい話だなと思ったがやはりここは自分の地元が気になったので、基のデータを見てみることにした。このデータを発表しているのは北海道で、市町村課のページから閲覧することができる。「北海道市町村の決算の概要について」という項目がそれだ。

なにしろ自慢ではないがわたしの地元は20年前にはあの夕張市と毎年毎年人口減少率全国ワースト1を競い合い、「もうすぐ20万人」と聞いていた人口が今では10万人を切ってしまった、元「鉄の街」現「焼き鳥の街(「ボルタの街」「クジラの街」でも可)」。去年あたりから殿様である某巨大製鉄企業の業績好調のため税収も増えたとは聞いてたけど、物心ついたらもうなべ底不況だった世代としてはにわかに喜びがたいわけで。

ということでまず見たのが市町村の財政状況(平成17年度決算)(Excelファイル)。数字の見方はコチラ

「財政力指数」が意外とよい(札幌市並)なのに驚く。経常収支比率、公債費負担比率なども(道内平均よりは)よさげ。巨大製鉄企業様さまですな。

ちなみに道内でもっとも財政力指数が高いのはあの原発村。ご近所町村とは桁違い。次も発電所がらみでカネモチらしいここ。それに続くのは国内最強航空旅客路線をもつ空港があるここここ(ただし、財政力指数が高い理由は空港のおかげというわけでもなさそう…よくわからず)。

北海道市町村財政比較分析表というものもあった。こちらは市町村ごとにいくつかの指標について、財政力または財政規模の類似した団体(北海道以外の団体を含む。)との比較・分析を一覧表にまとめたものだ。

これによるとわたしの地元は「財政力指数:大手企業等による法人税割の増収はあるものの、生活保護費など扶助費が多額なことや高齢化率が高いことなどにより、類似団体の平均を下回っている」であり、「人口1人当たりの地方債現在高:建設事業の厳選による起債発行の抑制に努めているが、人口減少が著しいため類似団体の平均を上回っている」であり、「給与水準の適正度:本市では早くから国公準拠を基本とした給与水準の適正化に努めてきており、ラスパイレス指数は類似団体の中でも低い水準にある」ということだった。

なんつーか……、閉山しなかった夕張って感じ……。

なんとかがんがってもらいたいんだけど、それは遠くに離れたものが言うべきではないのかな。

遠くにいながらでも手助けするすべがあるといいんだけど。

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2006/12/11

インフルエンザ予防接種その後

というわけで迷っていた予防接種の件、結局行ってきた。

近所の「内科・小児科」を掲げている開業医に行ったら、1時間待たされた挙句いきなり断られて驚く。

「産婦人科がOKと言っても内科としてはダメです」とか言われて、わざわざワクチンの添付説明書を渡される。そんなら問診表にでっかく「うちは妊婦不可」って書いとけ、ばかやろー。

なんか釈然としなかったので家に帰ってからもイライラしてたら、次の日の朝その医院から電話がきた。

「その後いろいろ調べたら問題ないことがわかりました。よろしければおいでください」

だって。

いろいろっつうのはこのへんでも見たのかな~と思いながら再度出かける。

「きのうはどうもすみませんでした」「いえいえわざわざご連絡いただきまして恐縮です」「大丈夫ならあんな書き方(添付説明書のことだろう)しなきゃいいと思うんですけどね、すいませんね」

製薬会社に問い合わせたのかなあ。

あとは普通に体温測定、聴診、注射、その後30分経過観察、で終了。現在に至るも特に問題なし。年末に再度接種する(ブースター効果とかいうやつ)。

調べて、連絡くれるという開業医さんのフットワークにちょっと感動した。子供の「かかりつけ」になってもらおうか。

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2006/12/04

デブはロクなことがないという話

というわけで近頃お医者さん関係のブログやサイトばかり見ているわけだが。

今回のは元検弁護士のつぶやき:昭和大学藤が丘病院腹腔鏡手術死亡事故というエントリで、管理人さんは法曹の方だが医療訴訟関係のエントリが多くお医者さんのコメントも多い。

一般人として読んでいるとまあ、いろんな感想を持ったりするわけだけどそれは別の機会にして、このエントリでたぶんお医者さんと思われる人からの興味深いコメントが。

教科書的に肥満患者の方が腹腔鏡手術が困難であることは記述されています。
ただし適応については術者の技量に依存しますが。
開放手術も含め肥満患者に手術するときは全体に脂肪が多くて
手術もやりにくいですし、術後の合併症も多いです。
料金に肥満割増料金をつけてほしいくらいですよ(笑)。

肥満の患者さんは,麻酔も手術も大変です.内視鏡手術だけでなく開腹術でも非常に苦労します.脂肪だらけでメスは切れにくくなる,視野は狭く操作も大変...
麻酔にしてもマスク換気も重たい,気管挿管して人工呼吸してもすぐに無気肺ができる.硬膜外麻酔や脊椎麻酔は棘突起も触れず背中の正中も判らない.本当に割り増し料金を頂かないと,割りに合わないです.
つまり,肥満だから内視鏡手術を避け開腹術を選択するというのは適切とは言えないと思います.どちらも大変です.

これで思い出したのだが、以前別のところで産婦人科のお医者さんが、「ものすごい太った、自己管理のできていない妊婦が突然お産にやってきた。産道が脂肪でうんと狭くなっていて、赤ちゃんの様子もまるでわからず難儀した」とグチっていた。

つまりデブであるということは、糖尿病だのもてないだのというリスクのみならず、余計なところで外科系のお医者さんを緊張させ、処置における手違いなどの潜在リスクをも高めてしまうのである!

このへんまで含めてデブの生涯リスクとか考えて、保険を作ったらどうなるんだろうなあ。

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2006/12/02

悔いのないように。

インフルエンザ予防接種については引き続き考え中。

さて、昨日の検診では通常の諸チェックのほかに、「子宮収縮剤(陣痛促進剤)の使用に関する説明書」「吸引分娩・鉗子分娩についての説明書」「診療に関する同意書」について医師から説明があった。どういうときにこれらの処置を行うか、合併症としてどんな可能性があるか、危険性を回避するためにどのような措置をとっているか、などだ。実際に処置を行う際にも説明するが、切羽詰っていることも多いのでこうして事前にも説明して署名を本人と夫からもらいたい、とのことだった。

「診療に関する同意書」には、

医師からの説明を理解できましたか。

 □理解した。

 □まあまあ理解した。

 □理解できなかった。

理解できなかった部分、もう一度詳しく説明してほしいことがありましたらご記入ください。再度ご説明します。

とあり、これに記入した上でさらに同意するかしないか、をも記入するようになっている。

なかなかよくできていると思う。「まあまあ理解した」ってどういう意味だ?とかつっこみどころはあるが。

ここの病院の組織体制はよく知らないが、企業の冠つきのためか、法務関係がしっかりしているような気がする。母親学級でも「妊娠・分娩時の主な異常」についての説明があって、その中で「この病院では36週未満の早産児を管理することが困難です」と24ポイントくらいの太字で強調するとともに、母体搬送についても説明があった(「常に決まった病院へ搬送できるわけではなく、その時点で産科、新生児科に空床のある病院をさがし搬送する」とある)。

特に人の命を扱うわけでもない自分のふだんの仕事ですら、関係先としばしば「言った、言わない」のやりとりが発生して「ログを残す」ことに異常に気を使っていることを考えると、病院しかも産婦人科でこれくらいやるのは、身を守るためにはむしろ当然だと思う(お医者さんブログを読んでいると、同意書があっても裁判で認められないこともあるそうだが)。

わたしの担当医師は、丁寧かつ穏やかな話し方の人で、赤ちゃんに会うことを楽しみにしている様子が感じられて人気があるらしい。その医師が、「吸引分娩・鉗子分娩」について説明しながら、「高血圧合併妊娠」にマルをつけて「奈良の事件の妊婦さんはこれだったんですがね、……」とさらっと言ったとき、「先生はあの事件についてどう思ってるんですか」と尋ねてみたい気持ちに駆られた。が、困らせてはいけないと思って黙った。

全国で産婦人科と小児科がどんどん減っている。すでに人口30数万のこの自治体でも、個人クリニックでは分娩を扱わない「産科オープンシステム」となっていて、この病院とあと2つの大きな総合病院しか分娩を扱っていないと助産師が言っていた。隣接する自治体からは妊婦を受け入れるが、隣の県の人は里帰り以外受け付けないそうだ。

さて、説明書にはいろいろ医学用語も出てくるが、そのあたりはgoogle先生に聞けばたいていわかる。帰宅してから「ラミナリア」とか「メトロイリンテル」とかは自分で調べた。

ところで「海藻」をつっこむというのを最初に思いついた人はエラいと思う。

また子宮収縮剤については、説明書には「子宮頚部の熟化の状態に応じて、下記のいずれを使用するかを決めます。□オキシトシン製剤:…… □プロスタグランジン製剤:……」とあったので、どっちがどうなのかと疑問に思ったところ、ちゃんと満期産における前期破水に対するプロスタグランジンとオキシトシンの比較というリッパな論文が存在するのであった。

どうでもいいが、「オキシトシン」を当初「オキシトキシン」と読んでしまい、「なぜそんな毒物のような名前を??」とか思ったら一文字多かった。オキシトシンは「人を信用させるホルモン」としても有名らしい。

「お産を甘く見るんじゃない」は母の口癖だ。母はわたしを産んだ後、子宮外妊娠の処置が遅れて死にかけ、また弟の出産の時にも大量出血で死にかけた。わたしを産んだときは、自分は問題なかったが赤ん坊(わたしだ)の首にへその緒が巻き付いて、子供のほうが死ぬところだったらしい。「はじまるまでどんなに元気にしていても、何が起こるかわからないんだからね」という。

もし何か起こってしまったら、そのときはがんばるしかないわけなので、それまでにできることといえば、「起きるかもしれない何か」について知っておくことと、できるだけ回避できるよう養生することくらいだ。

また今日も散歩にも出ずひきこもってしまったが……。

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2006/12/01

意思決定のしかた

きのうは37週の検診だった。

血液/尿検査、血圧と体重の測定、胎児の位置と心音の確認、子宮の張り確認、といつものコースのあと内診があったが、いつもどおり特に注意すべき異状もなく、胎児の頭も降りてなく、子宮口もぜんぜん開いてない、ということで流れるように終わった。

ふだんはここで次回の予約をして終わりなのだが、今日は聞きたいことがあったので尋ねてみた。インフルエンザ予防接種について。以前、このへんで妊婦のインフルエンザ予防接種について読んだことがあったので、見解を聞いてみようと思ったのだ。

答えは、

「インフルエンザの予防接種は、アメリカでは老人と並んで奨励されていますが、日本ではデータが不十分なのでとくに奨励されていません。ただワクチンについては14週以降であれば赤ちゃんへの影響はほとんどないと思っていいです」

だった(あとでいろいろ調べたが、どこでも同様の見解のようだった)。

さてこれを聞いてどうするか……?

■予防接種したほうがよさそうと思われる理由

・インフルエンザは発症するとけっこう辛い。しかも熱さましそのほかの対症療法系の薬はたぶん飲めない。そうすると子供の世話をするのが大変。

・自分はこれまで予防接種して副作用的症状が出たことがない。

・胎児への影響はあまり考えなくてよさそうだ。

■予防接種は必要ないと思われる理由

・この10年、予防接種をした年もしない年もあったが、毎日人ごみにもまれる通勤をしていたにもかかわらず、インフルエンザを発症していない。同居人も同様。

・産休に入り、人の多い場所にでかけることがますます減った。子供が生まれた後も、1ヶ月はどこにも行かないだろう。

・予防接種を受けるために内科へ行ったら、逆に別の病気をもらってくるかもしれない。

うーん。まだ悩んでいる。

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